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カクテルマジック-full- 【全年齢】レビュー

禁酒法が作られ多くの人々は酒とは無縁の‘日常,を過ごす。
偶然にも彼は裏の世界の住人と出会い酒場を知ってしまう。
‘非日常,にいる彼女達との関わりから物語は紡がれていく。

タイトル:カクテルマジック-full-
サークル:セイランソフト
ジャンル:アドベンチャー/デジタルノベル
発売日:2022年12月30日
プレイ時間:3篇構成 1シナリオにつき1時間半~2時間ほど

タグ 全年齢作品です。

「酒が呑めなきゃ生きてる意味がねぇ。」とは誰の言葉でしたか。
自分もそのうちの一人です・・。

この物語は酒が禁止となり誰もが関心を持たなくなりつつある人達、
そのうちの一人キリシマユウキが裏世界の住人と出会い、
酒場を開く場所を目撃し関わっていくお話になります。

法律で決まっているからお酒は飲んではいけない。
そんなことが当然のような常識となっている「表の世界」の一人高校教師ユウキ、

人目から隠れて友と酒を飲みかわす彼らは「裏の世界」の住人、
生き方も見方も違う両者が出会うことで生まれてくる展開には危険がつきもの、
それだけではなくユウキにも彼女達にも心に秘めたるものがあり
手を取り合ってこの先へと立ち向かうヒューマンドラマが見れる作品でした。

本日はこの物語の一端をお伝えしていきます。

〇カクテルマジック-full-の作品形態について

本作はセット作品となり、元々は各ヒロインのストーリーで1作品の
ミサト編・マリー編・ボス編の3つに分かれていたものが-full-でまとめられています。

この世界観や作風に興味のある方はプレイしてもらいたいと思います。
単品購入をする場合はナンバリングで1番目「ミサト編」から見始めてほしいと思います。

〇オープニング

キリシマユウキは学校の教師。倫理を担当し生徒達に真剣に向き合う
真面目な教師と周りからも評価されていた。

彼の日常が一変したのは一人の女性との出会い、
男達に追われる彼女を救い事情を聞いて出てきたのは何本もの酒瓶。
この国で禁酒法が制定されて以来飲酒・所持・販売と全てが禁止されている。

違法を承知で酒を取り扱う彼女、ミサトとの出会いでユウキは
今までの常識を捨てミサトの向かう目的地へと同行する。

公にはされない秘密の場所へ向かうには大部屋のカラオケボックス、
店員に『ノンアルコール・カクテル』と書いた紙を渡し別室へ案内される。

地下へと案内されたユウキが見たのは大勢の客が語らい騒ぐ場所、
手にするグラスの中身は当然酒。表の世界で生きる彼には初めて見る酒場がそこにはあった。

この物語は表沙汰にはされない酒場に足を踏み入れたユウキが
酒を飲み彼女達がいる世界へと歩み寄るお話である。

〇登場人物・シナリオ

・ミサト

酒場ではバーテンダーを務める裏世界側の人間。
非合法な酒類を提供するマフィアの一員で忠実、
ユウキ達を始め自分達以外の人間への関心は薄く冷淡である。

ユウキが酒場を知ったことで監視役となる。
彼が勤める学校でサトミの偽名を使い教師として働く。

-ミサトルート-

ユウキはミサトとの出会いで日常が一変。
昼は学校で教師として顔を合わせ、夜は酒場でバーテンダーである彼女との非日常を過ごす。

ユウキが酒場に通うことで多くの人との交流を持ち仲を深めていくが、
サトミとは出会った時から変わらず距離を置かれているように感じる。

やがて彼は禁酒法そのものを疑問に思い、この法が施行された背景を探り
禁酒法をなくす手立てがないか行動を起こす。

・マリー

酒場で働く店員でミサトとは正反対に明るくユウキに接する少女。

外の世界というものを知らず学校に行ったことが無い。
ユウキは教師として個人授業を始めるが、
教えられた事を全て学びテストで満点を取るほどの物覚えの良さを持つ。

いつかユウキ達が過ごす外の世界へと行ってみたいと興味を持っている。

-マリールート-

マリーとの個人授業を続ける為酒場へ通っていたが事件が起きる。

酒場で起きた事件でミサトたちと連絡が付かず、マリーが一人はぐれてしまい
ユウキの家で寝泊まりをする。

いつか外の世界へ行ってみたいと願っていた彼女だが、
居場所を失った事で外の恐怖を知る。

ユウキは以前の笑顔をしていたマリーに戻ってもらいたいと励ます方法を考え、
学校に通えるようなればいいのではと編入手続きを始めた。

・ボス

禁酒法があるなかで酒場を開くオーナーであり
ミサト、マリー他多くの裏世界の人間を束ねるファミリーのボス。
一見穏やかそうに見えるが相手に有無を言わせぬ胆力のある持ち主。

ファミリーを大事に想い家族を守るためなら手段を他わない苛烈な性格を持ち主。

本来表世界の住人であるユウキが酒場に来ることになり彼に興味を持つ。

-ボスルート-

「君は今日からマリーの専属教師だ、学校は辞めたまえ。」

学校と酒場を行き来しマリーへの授業を続けていたユウキ、
そんな彼をボスが気に入り突然学校の教師を辞めることとなってしまった。

驚くユウキではあるが、自分が裏世界へと足を踏み入れたことを自覚しマリーの専属講師となる。

マリーが学び喜んでいる様子を笑顔を浮かべるボスだが時折疲れた表情を見せる。

ユウキはボスの気疲れを何とかしたいと思い、周囲の人物に聞きながら
ボスを楽しませる方法を探していく。

学校へ通わずに酒場へ通うだけのユウキは法から外れた場所へいる。
そんな非日常が当たり前になった彼だがそこは危険な場所、
いつしか危険と隣り合わせなことも薄れたユウキは事件へと巻き込まれることになる。

〇みどころ

裏世界、ファミリーとくればスリリングなドラマとなりそうですがそれだけではない。

ボス達が非合理ながらも営む酒場が多くの客に喜んでいる様子が描かれ、
ユウキ平穏な場所でありながら自分たちの持っていた価値観が正しかったのか?と
疑問を持ちながら彼女達と交流を深めていく人間ドラマとなっていました。

3篇全てを見て何故か(笑)印象に残っていたのがユウキの友人、体育教師のジュン。
少しおちゃらけた部分もありますが、ユウキが抱える悩みに向き合い
彼なりの言葉で力になろうとする所が良かったです。

やっぱり一番に見てほしいのはミサト編、この物語の舞台でもある禁酒法を
疑問に思いながら答えを見出し大掛かりな展開となる展開を見てほしいと思います。

マリー編、ボス編は比べてしまうとやや規模は小さめ(ハプニングはあるけど)、
作中のヒロインに焦点を当てた物語でしたので、こちらも併せてみてほしいです。

本作品のタイトルは「カクテルマジック」。
お酒の魅力に知り、お酒を愛する彼らの生き方が描かれた作品でした。

以上、カクテルマジック-full-のレビューになります。
最後までご覧いただきありがとうございます。

下記より購入ができます。

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