僕がサダメ 君には翼を[PCソフト]レビュー
「名の儀は那須真紅。通り名を『紅の牡丹』と発します。」
いつものように二丁の銃身に恭しくキスすると、
自らを鼓舞するように朗々と言い放った。
「セルシウス!レーヴィット!吼えどきよ!」
タイトル:僕がサダメ 君には翼を。
制作:暁WORKS
ジャンル:アドベンチャー
発売日:2017年11月17日(パッケージ版は2007年10月26日)
プレイ時間:1周約6時間、全5週プレイ
注意 本作品は同人作品ではなく、
DMMにて販売されている作品になります。
あかべぇそふとのセール中の作品。
単体購入は半額、10本まとめ買いは税込み1万円、
セール期間は5月11日17:00までとなっています。
※キャンペーン期間は終了しました。
暁WORKSの一作目となる作品、バトルADVをご紹介します。
迫力ある戦闘の演出、コミカルな日常シーン、
ヒロインとの甘い一時、戦いの先にある宿命。
全てが詰め込まれたドラマを体験してみてください。
○あらすじ
聖遺物。
人々は人智を超える神がもたらしたとされる秘宝をそう呼んだ。
その力を科学の力で解明し、
技術転用や病の治療方法に利用する企業の名は、
多国籍企業RDA(Reliquiae Development Assistance Inc)。
神が遺した聖遺物は人が踏み込んではいけない領域、
人の生死は神が定めたものであり、聖遺物は人の為に使う者ではない。
守護者達の名は聖遺物保護教会。
両者は聖遺物を巡り多くの血を流しながら戦ってきた。
その戦場に立とうとする青年がいた。
彼の名は風間刀也。
父親はRDAに忠誠を誓い、その命を戦いの中で失った。
父親の敵を取るべくRDAに入り正義を貫こうとする刀也ではあったが、
教会の人間と戦いの中に相手にもある正義を知ることとなる。
そしてこの聖遺物を巡る戦いはRDAと教会だけではなく、
新たな人物の登場により混迷していく。
風間刀也が選び手に入れるモノ、そして失うモノとは。
○主な登場人物
☆RDA
・那須真紅(なすしずく)(左)ヴァレリオ・ル・ダノワ(右)
お嬢と呼ばれる和服姿の2丁拳銃使い。
頭で考えるよりトリガーを引く指が動く好戦的な性格。
新人で入ってきた刀也に先輩として大きな態度をとる自信家。
ダノワ、真紅、新人の刀也を加えチームを組むリーダー。
軽薄そうな性格で優華をハニー呼びするが、
あえなくフラれる2枚目(3枚目?)。
任務中は冷静な人物で聖剣コルタナを使い戦い、チームをまとめ上げる。
・草薙総一(中央)白川優華(右)
RDA上層部の役職を持つ人物。
刀也の亡き父と親交もあり、刀也を息子同然に思っている。
草薙部長の秘書を務めチームダノワをフォローする。
優秀な人物ではあるが割とドジな面もあり、
彼女の作るデザートでは奇抜なデザインをして周りをドン引きする。
年下の真紅、刀也に対して姉のように接する包容力ある女性。
☆教会
・玄坂水澄乃(くろさかみずの)(左)ソフィティリア(右)
「ラファエルの盾」の異名を持ち、教会最高の戦力にして
聖女の警護を務める忍び。
RDAの刀也達にとっての大きな障害となり度々立ちはだかる。
聖遺物保護協会の聖女にして実質トップの人物。
神によって定められた未来を知ることができる力の持ち主。
RDA側である刀也を慕っていて彼が特別な存在であると伝える。
☆その他の勢力
・ジャンヌ・デュマ 山田
RDAでも教会側でもなく、かつて教会から迫害を受けた組織、
「賢者の一族」の生き残りとして復讐を果たす魔女。
ジャンヌの使い魔にして始祖ジャンヌ・ダルクの命を受け
現在までその役目を果たそうとする言葉を話す猫。
ジャンヌに踏まれることを喜ぶドM。
○多数の演出CG・カットイン
オープニングのホットスタートから始まる戦闘シーンでは
いくつものカットインで演出を盛り上げ、
多数のCGで戦闘場面に迫力あるバトルADVとなっています。
戦いが終わり束の間の一時では、
日常を楽しむコミカルなシーンも用意されています。
中にはエッチなハプニングが起きたりすることも。
製作側の遊び心は予想の斜め上、誰得のサービスシーン。
そんなものはない(断言)。
○選択肢形式のマルチシナリオ
選択肢形式で選ぶマルチシナリオ作品となります。
間違えた選択肢を選ぶとバッドエンドとなりますが、
一つ前の選択肢に戻るリスタート機能つき。
RDAの一員として戦う刀也、
教会側の正義を知ってRDAと戦うことになる視点、
そのどちらでもない立場となったドラマが見ることとなります。
○Hシーン
対象ヒロインは全部で5人。
それぞれ3~4シーンほどのHシーンが用意されていました。
○感想
格好いい作品のように紹介してしまいましたが、
全体を通してみると広く浅い内容の物語になっており、
かなり残念な出来であると思いました。
1周目の真紅ルートでの物語は、
作中での真実が明らかとなり盛り上がりのある展開から
エンディングを迎えてよかったと思います。
ですが2週目、3週目と別のルートをプレイしてみると、
主人公の立ち位置が違うだけで物語の進行は全て同じ。
5人のヒロインを選んでのマルチエンディングですが、
その実ストーリーはRDA視点、教会視点、その他の3つだけ。
教会視点でいえばヒロインの玄坂とソフィを選ぶだけの違いで、
後のは全く同じの物語を見ることとなってしまいました。
今の話にもつながりますが一番がっかりしたのが真実が明らかとなるシーン。
※ネタバレは避けて曖昧な形でお伝えします。
1周目にこのシーンを見た時は「何だって!?」と驚いたのですが、
その場面を全ルート3回(ヒロイン別にすれば5回)、
まったく同じく真実が明らかとなるシーンをみることとなりました。
主人公の刀也からすれば驚くシーンですが、
プレイヤー視点から見れば「もう3回は見たよ(笑)。」と、
テンションダダ下がりの展開でした。
公式の暁WORKSからネタバレをされながら2周3周と
物語を見ることになるのは面白味が感じられませんでした。
自分はこういった練り込まれた設定や世界観を見るのが好きなので、
「僕がサダメ 君には翼を」のベースとなっているのは気に入っているのですが、演出面がかなり残念だっただけにもったいなかったと思います。
これならコンセプト完全無視でRDA視点1本で進む
深く狭く掘り進めた物語を見せてもらった方が面白かったのではないでしょうか?
感想をまとめると酷評になってしまいましたが、
これ以降の暁WORKSの作品が高評価されているので、
1作目である本作品も何かの形でリメイクしてもらえればなぁと感じます。
あかべぇそふとの10本セールで購入の際は
ついでの1作品として加えてもいいと思いますが、
何とも惜しい作品でした。
以上、僕がサダメ 君には翼をのレビューとなります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
下記より購入ができます。
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