HOTEL.(PCソフト)レビュー
「ようこそ、ホテル・プリメーロへ。」
無表情なホテルマンの男はそう言って新たな客を出迎えた。
静かに流れる時間を過ごすホテルの従業員と宿泊客、
そして一匹の猫が生み出す物語。
世界は今日も、回り出す。
タイトル:HOTEL.
制作:暁WORKS BLACK(現在はあかべぇそふとすりぃ)
ジャンル:アドベンチャー
発売日:2019年05月24日(パッケージ版の発売は2011年12月22日)
プレイ時間:約9時間(サラルートの場合)
単体購入は半額、10本まとめ買いは税込み1万円、
セール期間は5月11日17:00までとなっています。
※キャンペーン期間は終了しました。
暁WORKS無印がシナリオメイン、
BLACKがエロ要素多目のゲームだと思っていましたが、
今作のHOTEL.は違ったようです。
とても不思議な物語をご紹介します。
○あらすじ・登場人物
ホテル・プリメーロはとても不思議な場所。
支配人の美雨(メイユイ)が落ち込む程の宿泊客の少なさ、
副支配人、荒城啓介の飼っている猫のクリスが歩き回るホテル。
客と従業員が一緒に食事をとる家族のような場所。
そんなホテルのロビーで優しい音楽が流れる。
片目に包帯をしてギターを弾くサラ・コルトレーン。
彼女が啓介と出会うところから物語は始まる。
美雨の友人でバーテンダーと歌手をこなすアリス・ルシア。
母と娘でホテルメイドを務める桜井まき、彩花。
盲目のソムリエを養父にもつシェフ香月日輪。
従業員のラヴ、宿泊客の三船など
個性豊かな面々が日々を過ごすホテルが舞台となる物語。
○選択肢・マルチエンディング
従来のアドベンチャーと同じく選択肢を選ぶだけですが、
フローチャートが珍しくなっています。
物語中盤から各ヒロインにスポットが当たるのですが、
選択肢が出てくるのはそのヒロインのイベントに一区切り
ついてから。
最初に出てくる選択肢で上を選べば、日輪と啓介の恋仲になる
イベントになり日輪エンド。
選択肢の下を選べば次のヒロインのイベントになり、
イベント終了後に選択肢が出てそのヒロインのルートに入るか、
別ヒロインのイベントへ進むかの2択。
その選択肢で下を選び続けると
メインヒロインのサラとの恋仲になるルートで
エンディングとなります。
図にするとこんな感じです。
↓
物語中盤 日輪イベント
選択肢→日輪と過ごす→日輪ルートエンディング
↓その場を離れる
次の○○とのイベント
選択肢→○○と過ごす→○○ルートエンディング
↓その場を離れる
次の××とのイベント→××ルートエンディング
↓その場を離れる
(中略)
↓その場を離れる
サラルートエンディング
自分は最初にサラのエンディング後、
最初の選択肢から順番に日輪、次ヒロインと進めましたが、
今思えばサラがトゥルーエンドなので最後にとっておいた方がいいかと思いました。
プレイ中は選択肢表示が出ればセーブしておきましょう。
○声優
作中には個性的なキャラクター
(ラヴとかアフロとかエセ関西弁とかフロントマンとか異人とか)
が多く登場しますが、
各人物を演じる声優の声がどれも印象深く残っています。
あかべぇそふとすりぃ
の製品紹介ページから
各キャラクターのサンプルボイスでの自己紹介が
ありますので、是非聞いてみてください。
↓HOTEL.製品ページ 登場人物
http://www.akabeesoft3.com/products/hotel/chara/chara_01.html
声優の方の一部をご紹介します。
・荒城 啓介 CV梅咲チャーリー
本作主人公の副支配人の声が低音ボイスで響いていました。
女性向けゲームでは別名義で多数出演されているのですが、
聞き惚れる声というのが分かる気がします。
・美雨(メイユイ)CV芹園みや
ヒロインの一人、ホテル支配人の美雨。
彼女の明るい声に聞き覚えがあるのに名前が出てこなかったのですが、
エンディングのクレジットの「芹園みや」に合点がいきました。
ついこの前までのるい智の央輝や、僕がサダメの水澄乃で
聞いた声だったのが思い出せませんでした。
こういった別人を演じることができる人が演者、なのでしょうね。
WIKIを見ていますが出演作が多い方です。
よくよく振り返ってみればオープニングムービーに
キャスト載っているじゃん、見逃していた・・。
○使用BGM
「アヴェマリア」・禁じられた遊びの「愛のロマンス」・
ソフトバンクCMの「くるみ割り人形」など、
どこかで聞いたことのあるクラシック曲が作品を彩る舞台となっています。
エンディング後はサウンド一覧で曲を聴いてみてください。
○Hシーン
ヒロイン5人のそれぞれルートで2~3シーンとなっています。
Hシーンで啓介の声を聞くのはちょっと・・、
と抵抗感のある人はコンフィグ欄から声が出ないように設定ができます。
今さらながら眼鏡をかけた女性のエロさに気づきました。
○感想
異能やバトルものアドベンチャーをよくプレイしていたのですが、
そうではないドラマオンリーの世界を体験できたのは
今回が初めてだと思います(BLACKの僕わたもそれっぽいけど除外で)。
最初から少しゲームを進めたくらいでは
ホテルでのお客様をもてなす日々を描いたシーンが続く、
やや退屈な作品との印象でした。
ですが物語が進むにつれてがらりと雰囲気が変わるシーンから、
ホテルの人達が抱えている問題が出てきたり、
困難な時に副支配人や他の人達の心の動きなどを
見せていただきました。
個人的に作品最大の見せ場は美雨の場面だと思います。
ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが、
この場面で絶句、言葉にできないショックを感じました。
その後に改めてホテルでの一面のやり取りを見ていると、
ちょっと心穏やかには見れない部分もありました。
本作品の魅力ですが、ヒロインの個別ルートに行くまでは、
主人公と同じくらい各人物がヒロインと関わっていくのが
良かったと思います。
主人公の荒城啓介だけでなく、ラヴでありお侍の三船が
ヒロインへの心境を変える場面もあり、
従業員や宿泊客とが分け隔てなく力を合わせていくのは
アットホームな面や一丸となった強さを見せてもらった気がします。
作中はホテル従業員にスポットが良く当たるですが、
彼らより登場回数が多いのでは?と思う程の
猫のカリスが顔を出していました。
ホテル・プリメーロの行く先、啓介とサラとの出会いと別れ、
この先どうなっていくか、気になった方は自分の目で確かめてください。
以上、HOTEL.のレビューとなります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
下記より購入ができます。
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