少年魔術師と獣欲の王国 レビュー
タイトル:少年術師と獣欲の王国
サークル:こんなんでええんや製作所
ジャンル:ロールプレイング
発売日:2023年09月01日
プレイ時間:4時間ほどでクリア
タグ 良シナリオ作品です
故郷を滅ぼされ己が命も弄ばれるように嬲り殺しにされた兄妹が
生を取り戻し大国に復讐を挑むダークファンタジーゲームをご紹介します。
サークルの初作品『こんなんでええんや製作所』、作者『くらいくらい』と
ひらがな率多目のゆる~い名前が気になりますが、そのゲームは
シリアスな内容で豊富なスキルビルドを楽しめる本格RPG。
主人公の少年リールと妹のアルトは村を襲った何者かに殺害されますが
立ち寄った魔術師により生き返りを果たしますが代償を背負うことに。
悲壮感漂う暗めな物語ではありますが冒険の最中に性の経験をする少年リール、
一度の経験が彼に性への興味を与え周囲のお姉さん達や実の妹の身体に性的興奮を覚えてしまう・・、
といった若干コミカル要素的なエロゲ主人公な場面に遭遇をしてしまいます。
本作の目玉の一つでもあるのが一辺倒ではないスキルツリーの習得、
戦闘やクエストをこなして得ていくスキルポイントを溜めて
二人のキャラクターをを自由に強化していく幅広い遊び方が楽しめます。
そしてゲームプレイ前には体験するとは思ってもみなかったほどの
深く作りこまれたシナリオ設定、リール達が進む先で遭遇する出来事に
思わず魅入ってしまう物語にも注目してほしいと思います。
〇オープニング
白の王国領土内、辺境にある村で暮らす「青の民」、
華やかな王都とはかけ離れた土地で慎ましくも穏やかな日常を
過ごしていた兄妹のリールとアルトの住むこの地から物語は始まる。
この世界の歴史は5つの属性に分かれた魔法の力にを持つ者たちによって栄え、次の色の魔法使いの台頭により衰退と繁栄を繰り返してきた。
この『白』の魔法によって栄えてきた王国は長らく続いた歴史があり、
その王政で腐敗が続き、やがて訪れる「青」の時代が訪れるのではと人々に囁かれていた。
辺境の村に住む青の民は水や時の魔術に長けた一族の末裔、
リールとアルトの才能はその中でも飛びぬけ青を含めた5色の魔法を習得できる「シェイプシフター」として将来を期待されていた。
そんな儚い未来への想いは理不尽な暴力によって絶たれた。
白の王国の者達の手により国の禍根になるであろう青の民を滅ぼし、
今の国を長く続けようとする国の企みによって村は襲撃を受ける。
今はまだ未熟な兄妹は襲ってきた兵士に成すすべもなく無惨に殺されリール達は幼い命を落とす。
彼らの生涯はここで終わってしまうはずであった、
しかしその襲撃を受けた村を訪れた一人の魔術師が兄妹の辿る末路に道を繋げる。
死んだはずのリールは目を覚まし、目の前の女性は黒の魔術師ネルーと名乗る。
ネルーの話ではリール、そして妹は襲撃者により間違いなく亡き者とされていた。
彼女はその死骸である二人に特別な魔術師の才があることに気づき、秘宝を使い蘇らせた。
兄リールは左目を射貫かれ死んでしまった為、「宇宙の眼」と呼ばれる
秘石を埋め込み蘇生。
そして兄以上に肉体を損壊された妹アルトは「獣」の素体を使い
死者の身体を生者へと一時的に戻すことができたと話す。
しかし今のアルトの身体は彼女だけのものでなく獣の意志が混ざる
不完全な状態、二人を生還させたネルーの要求は白の王国にある秘宝、
『天使の心臓』を手にすることであった。
彼女の秘宝を手にする真意はまだ分からない、
ただアルトをこのまま獣に呑み込ませないためにも秘宝を見つけ出すことを決めるリール、
その決意から進む道の先に訪れる結末がどのようなものであるかはこの時は知らなかった。
〇ゲームの進め方
スキルツリー特化RPGとのゲームで購入しましたが、
実際プレイしてみると結構驚く点がいくつもありました。
一つは装備品は一切なし、少し進めてみても他RPGにあるような
武器などは手に入らず回復用アイテムも用意されていませんでした。
プレイ中はイベント戦に勝利することによりスキルツリーに割り振れる
SP(スキルポイント)を入手、お金や経験値は入手できず
よくよく見ればレベルの項目がなく全てがスキル強化だけで
キャラクターを成長させていくゲームなのだと遅かれながら理解しました。
その習得するスキルツリーは選択肢の幅が広いこと!
シェイプシフターであるリールとアルトは全5色×3職種の
計15個のスキルツリーの中から選んで強化をします。
一応ヘルプ欄からもスキルの伸ばし方についてのアドバイスもありますが、
自分の判断で一つ一つスキルを習得していくことになります。
※アイテム スキルリセットを使うことでいつでもやり直しは可能
こういう選び取るのが面白い所なんですが悩ましい所、
延々と迷った結果初回はリールに回復・支援スキル、アルトに攻撃・防御スキルを習得をして挑んでみることにします。
具体的にリールは[白]聖騎士[青]錬金術師、
アルトは[白]重装騎士[赤]決闘士。
スキルツリーの大体上半分が戦闘時のスキル、
下半分の☆マークがステータスアップの項目になります。
先ほど触れたように本作では敵を倒してのレベルアップはなく、
SP消費でステータスを伸ばしながらスキルを習得していくことになります。
ゲーム中のイベントは基本的に1本道のメインクエスト、
青の民を襲った狩りの連中を倒すこと。
戦闘場面ではタイムゲージで敏捷度によりACTIONに到達した
キャラクターの順番に行動可能。
コマンドではスキル使用時は全15職種の中から習得したものの中から選びます。
序盤は2、3職種のスキルを習得して戦闘時に使えばいいのですが
それ以降は幅広い手を伸ばしていくと選びきれないくらいの手数に・・。
アルトでの攻撃は[赤]決闘士の中から、リールの回復は[青]錬金術師の中から、
といった具合での基本方針を固めたうえで次のスキル習得をしていくのがいいでしょう。
メインクエストでの戦闘以外にも街での探索があります。
街の住人から話を聞き困りごとの依頼はサブクエスト扱い、
解決することでSPが獲得できますのでくまなく住人について聞いて回りましょう。
ゲーム中盤になってくると入手SP量も50、100などの
一気に増えていきます。
今までの職種スキルを最後まで伸ばすか、
それとも幅広いスキルを習得して万能型に育てるか、
プレイヤーの好みで進めていきましょう。
最初は確かALL30の能力値がステータスアップによりかなり偏った成長をすることに。
特にアルトに習得させた決闘士の物理特化スキルが大活躍、
複数回攻撃に攻撃力アップにクリティカルを加えるとボスを瞬殺する程の能力。
ゲームは違えど「レベルを上げて物理で殴ればいい」はゴールデンルールなのでしょう(レベルないけど)。
一部戦闘イベントではネルーが戦闘を行うことも、死霊術士の
ネクロマンサーもなかなか魅力的な戦い方だなぁ。
物語も佳境を迎えるとリール達の眼に前に立ちふさがる
天使と言われるほどの力を持つ王女エレノアと戦うことに、
やがて迎える結末は悲しいものではありましたが一応の決着を迎えます。
これでゲームはクリア。とは思っていたのですが物語は続き、
場面は殺されたはずのリールがネルーによって蘇った所から再び始まります。
ゲーム上はこれまでのステータスを引継ぎそのままプレイ、
ゲームストーリーもセリフも全く同じですが1週目の時には
選び取ることのできなかった「分岐点」に達することで
リールは新たな可能性を手にするのでした。
その先は・・ゲームをプレイしてみてください!
〇Hシーン※トゥルーエンド後は全開放可能
Hシーンの説明の前にアルトの事について一歩踏み込んでご紹介。
ネルーは彼女の蘇生に獣を用いたと言っていました。
その正体は全容の分からない「黒の獣の先触れ」。
その肉体の持ち主は自らを饕餮(とうてつ)と名乗り、
アルトとの身体を共有しこのまま手を施さないと彼女の意志が消えてしまうことを警告します。
そこで饕餮より提示された条件がお前の精をよこせとの発言。
今はアルトの意志ではないものの妹の身体で性的行為におよび
罪悪感を覚えながら射精をすることに。
それからは面倒を見てくれたネルーにも性的な目で見てしまい
慣れない状態での甘やかしHとなっていました。
Hシーンは全部で10シーン、ほぼ全編リールが相手のヒロインに
言い寄られて行為に及ぶ描写となっていました。
〇今後のアップデートについて
発売直後の現時点では3つのマルチエンディングとなっていますが
今後のアップデートにより追加シナリオなどが予定されています。
今からプレイして今後のアップデートでもう一度楽しむ、
ということができると思いますので続報を待ちましょう。
〇感想
ゲームサークル名「こんなんでええんや製作所」とのゆったり感ある
名前からは想像をもつかないゲームを堪能させてもらいました。
(ゲームクリアの余韻に浸っている時にエンディングロールで
このサークル名が出てきたのは思わず笑っちゃたけど)
最初のゲームプレイ時にはスキルツリーを選んで敵と倒して
Hシーンを見ていく進めやすいゲームだなぁぐらいの印象でしたが、
結構な情報量に圧倒されながら大きな物語を見せてもらいました。
この記事ではお伝えしきれないほどの内容となっていますので
ぜひゲームをプレイしてこの物語を体験してほしいと思います。
今回のプレイではかなりオーソドックスなスキルツリーの習得で
進めていましたが、今ならもう少し変わり種な強化の仕方で挑戦してみたいと思います。
ぜひ皆様にはオリジナリティあるスキルの組み方でゲームを楽しんでみてください。
以上、少年魔術師と獣欲の王国のレビューになります。
最後までご覧いただきありがとうございます。
下記より購入ができます。
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